こんにちは。
「畑とジャムと。」の内田朱美恵(うちだ すみえ)です。
冬の空気が少しやわらいで、
日差しの色が変わってくるころ。
スーパーや直売所に、赤いいちごが並びはじめます。
その姿を見かけるだけで、
「あ、春が来るな」と感じるのは、
きっと私だけではありません。
いちごは、
一年中食べられる果物のようでいて、
やっぱり「春のもの」という印象が強い果物です。
いちごは、出会える時間が短い
いちごの季節は、意外とあっという間です。
気づいたら並び始めて、
気づいたら、また来年までのお楽しみ。
この「短さ」が、
いちごを特別な存在にしているのかもしれません。
たくさんあっても、
「今しかない」と思うと、
ひと粒ひと粒を、自然と大切に味わいたくなります。
いちごと一緒に思い出す、あの時間
私にとって、いちごは
子どもの頃の記憶と強く結びついている果物です。
冬に風邪をひいて、
食欲がなくなってしまったとき。
そんなときでも、なぜか
いちごだけは食べることができました。
「いちごが食べたい」と言うと、
両親が、特別なことは何も言わず、
当たり前のように、いちごを用意してくれました。
洗っただけの、いちご。
お皿に並んだ、赤い実。
ひと口かじると、
甘酸っぱくて、「あ、おいしい」と思えたことを、
今でもはっきり覚えています。
体がつらいときでも食べられた、あの味。
いちごは、私にとって
おやつというより、そっと支えてくれる果物だったのだと思います。
春の体と、いちごのやさしい甘さ
春は、気温も気持ちも揺らぎやすい季節。
なんとなく疲れやすかったり、
甘いものが欲しくなったり。
そんなとき、
いちごの甘さは、少し控えめで、やさしい。
強すぎない甘さと、
ほどよい酸味。
ひと口食べると、
体の力が、ふっと抜けるような気がします。
子どもの頃に感じた
「あ、食べられる」という感覚は、
今思えば、体が自然に求めていたものだったのかもしれません。
春の台所に、いちごがあるということ
台所に、いちごがあるだけで、
空気が少し明るくなります。
洗っているときの香り。
並べたときの赤い色。
そのまま食べても、
ジャムにしても、
どちらも楽しめるのが、いちごの魅力です。
これから始まる、
「いちごと、春の台所」のお話。
まずは、この特別な果物と、
ゆっくり向き合うところから始めたいと思います。
次回予告
次回は、
「美味しいいちごの選び方と、傷ませない保存のしかた」をお届けします。
短い旬を、最後までおいしく楽しむための、
わが家でしている小さな工夫をお話ししますね。
どうぞ、お楽しみに。


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