こんにちは!
「畑とジャムと。」の内田朱美恵(うちだすみえ)です。
秋の風が運んでくる、果実の香り
10月。空気が少し冷たくなり、畑の緑もだんだんと落ち着いた色に変わってきます。
朝の光の中で、果物の香りがふっと強くなる瞬間があります。
あの香りを感じると、「秋が来たなぁ」と思うのです。
秋のフルーツは、夏とは違って歯ごたえがあり、甘さにもコクがあります。
ひと口かじると、その“深み”に季節の移ろいを感じます。
🍎りんご ─ 家族と母のアップルパイの思い出
私の畑はりんご作りには少し暖かすぎるのですが、近くの山間部ではたくさんのりんごが実ります。
家族で好きなのは名月とふじ。香りがよく、しっかりとした甘みが魅力です。
りんごというと、やっぱり思い出すのは母のアップルパイ。
子どもの頃、母がシナモンをたっぷり効かせて焼いてくれた、あの香りが今も忘れられません。
キッチンいっぱいに広がるりんごとシナモンの香り──それが秋の記憶です。
今年は9月から「つがる」がたくさん手に入ったので、りんごをたっぷり加工しました。
りんごを煮ている時間は、本当に楽しくて、幸せなひととき。
果物の香りを大切に、まるでりんごをそのまま食べているようなジャムを目指しています。
🧡柿 ─ 柿の木とともに過ごす季節
柿を食べるときのサクッとした歯ごたえと、十分な甘さ。
そして、あの橙色の皮を見たとき、秋を実感します。
我が家の柿の木は、ことわざどおり「桃栗三年、柿八年」の途中。
植えて5年目の今年、ようやくたくさんの実をつけてくれました。
これからどんな実をつけてくれるのか、毎年の楽しみです。
子どもの頃、祖母の家にも大きな柿の木がありました。
硬いうちから熟すまで、長く味わえるのが柿の魅力。
庭先に吊るされた干し柿が風に揺れる光景は、今でも心の中の原風景です。
🍇ぶどう ─ 木で熟した甘さをジャムに
今、畑ではぶどうがたくさん実っています。
木で熟してきて、これからがいちばんおいしい季節。
グリーンのうちに食べるシャインマスカットも若々しくて美味しいですが、
木で黄色く熟したシャインマスカットはまるでライチのような甘さになります。
私は、黒ぶどう(巨峰やピオーネなど)のような少しの苦味と酸味がある味が好きです。
そのままでももちろん美味しいけれど、ジャムにしたときの深い色と香りがたまりません。
今年はぶどうジャムにも挑戦してみようと思っています。
🌿畑とわたしの小さな幸せ
畑で過ごしていると、果物や野菜が少しずつ変化していく姿を眺めるのが楽しみです。
買わなくても、毎日フルーツが食べられる生活。
それは小さなことだけど、とても幸せなことだと感じます。
ジャムを煮ながら、私はよく心の中でつぶやきます。
「ありがとう、全部おいしく食べますね」と。
そうやってゆっくり時間をかけて作ると、心が落ち着きます。
🍁おわりに ─ のんびり、ゆっくり生きる幸せ
日常には、小さくてもたくさんの幸せが転がっています。
季節の果物を感じながら、のんびりと暮らすことで、見えてくる幸せがあります。
自然と向き合い、果実を無駄なくおいしくいただくこと。
それが私にとって、自然への感謝であり、
「畑とジャムと。」が伝えたい想いです。
💡次回予告
11月のフルーツ図鑑では、「柚子・みかん・キウイ」を予定しています。
冬の始まりの香りを、どうぞお楽しみに。


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