こんにちは!「畑とジャムと。」の内田朱美恵(うちだすみえ)です。 砂糖だけじゃない。はちみつ・メープル・アガベを上手に使えば、香りやコクで“いつものジャム”がワンランクUPします。「畑とジャムと。」は市販ペクチン・凝固剤は使いません。 果物やレモンに“もともとある”ペクチンを上手に引き出して、とろみを付けるのが基本です。
代替甘味料で楽しむ手作りジャム
「ジャムは砂糖で作るもの」というイメージがありますが、はちみつ・メープルシロップ・アガベシロップなどの代替甘味料を一部置き換えとして使うと、自然な甘さや独特の香りが加わり、いつものジャムが少し特別に。イメージや好みによる部分が多いため、健康効果を断定する表現は避けつつ、風味の違いを楽しむ調味料として活用します。
代替甘味料は“甘さ”以外に何を変える?
- 水分量:液体甘味料は水分を含むため、同量の砂糖より煮詰め時間が長くなります。
- 香り:はちみつ・メープルは香りが主役。加熱で飛びやすいので後半投入が有利です。
- 色づき:メープル等の含蜜系は濃色に寄りやすい。アガベは比較的ニュートラルで色を保ちやすいです。
置き換えの基本ルール(市販ペクチン不使用の前提)
- 完全置換はしない:代替甘味料は総糖の一部を置き換えるのが基本(完全置換は締まりが弱くなりがち)。
- 香りを残す:仕上げ2〜3分前に投入して香りをキープ。
- 天然ペクチンを引き出す:砂糖マセ・ペクチン袋・酸(レモン果汁)・広い鍋での短時間強火をセットで。
はちみつジャム
特徴
- 甘みが強く、花の種類で香りが変わる。
- 水分(約17〜20%)を含むため、透明感がやや減ることも。
- 加熱で香りが飛びやすい。
相性の良い果物
柑橘(レモン・オレンジ・金柑)/りんご・洋ナシ。爽やかさや淡い甘さに花香が重なり、華やかな仕上がりに。
置き換え比率とコツ
- 総糖の10〜20%をはちみつに置換。
- 香りを残したいときは煮詰め後半に加える。
注意
1歳未満の乳児には与えない(乳児ボツリヌス症のリスク。加熱しても安全にはなりません)。
わたしのはちみつエピソード(クリックで開く)
畑でフルーツを育てていると「ミツバチと一緒に暮らしてみたい」と思い、数年前に養蜂に挑戦。家族用には何年分も楽しめるほどのはちみつが採れましたが、ある日分蜂してお引っ越し…。今は“家出中のミツバチが帰ってきますように”と祈りながら畑を見守っています。続きは別記事で。
メープルシロップジャム
特徴
- サトウカエデ由来の天然甘味料。上品なコクと琥珀色。
- ミネラル由来の風味があり、淡色果実は茶色寄りになりやすい。
相性の良い果物
バナナ/りんご/栗/いちじく/濃いベリー(ブルーベリー等)。
置き換え比率とコツ
- 総糖の10〜25%をメープルに置換。
- 色よりコクを楽しむジャムに向いています。パンケーキやヨーグルトと相性◎。
アガベシロップジャム
特徴
- リュウゼツラン由来。甘味は強いが風味はすっきり。
- 色・香りを邪魔しにくく、果実の個性を活かしやすい。
相性の良い果物
ベリー(いちご・ラズベリー)/柑橘など、色を鮮やかに出したい果物に。
置き換え比率とコツ
- 総糖の15〜30%をアガベに置換。
- 入れすぎると締まり(ゲルの強さ)が弱くなることがあるため、まずは控えめに。
※甘味料の“体へのやさしさ”やGIなどの数値は、食べ方や量で変わるため効果は断定しません。好みの風味で選ぶのがおすすめ。
固め方のコツ(市販ペクチン不使用)
- 砂糖マセ:果実と砂糖を混ぜ、6〜12時間置いて果汁を引き出す。
- ペクチン袋:レモンのワタと種 or りんごの皮と芯をガーゼに包み、一緒に煮て最後にギュッと搾る。
- 酸を少し足す:果実1kgにレモン果汁20〜30ml(締まりを助ける)。
- 広い鍋で短時間で詰める:強めの火で一気に水分を飛ばし、色くすみを防ぐ。
- 仕上がりの見極め:温度計があれば104〜105℃前後が目安。ない場合は冷やし皿テスト(ひと滴落として“道”ができればOK)。
- 代替甘味料は後半投入:香りを守り、煮詰め過多を防ぐ。
保存性と仕上がりの目安
- 長め保存(瓶詰め):果実に対し砂糖55〜60%目安。
- 冷蔵短期(約2週間):砂糖35〜45%でもOK(小瓶に分けて早めに食べ切り)。
- 瓶とフタは洗浄+加熱消毒を確実に。
まとめ:代替甘味料は“フルーツの個性を引き立てる調味料”
- はちみつ:柑橘・りんごに。10〜20%置換/後半投入で香りUP。
- メープル:栗・いちじく・濃いベリーに。10〜25%置換/コク重視。
- アガベ:いちご・柑橘に。15〜30%置換/色と香りを活かす。
色を鮮やかに残したい日はアガベやはちみつ、深みを出したい日はメープル。保存は短めを前提に、作りたての香りを楽しみましょう。
次回予告:ジャムのカロリーと、罪悪感なく楽しむ食べ方(朝食・おやつ・料理アレンジ)をご紹介します。
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