ジャムは日常、コンフィチュールはおもてなし。ふたつの魅力を味わう

コラム

こんにちは!「畑とジャムと。」の内田朱美恵(うちだすみえ)です。

「ジャムとコンフィチュールって、どう違うんですか?」
お客様や友人から、そんな質問をいただくことがあります。

どちらも果物を煮て作る甘い保存食。名前は違っても「なんとなく同じもの」と思われがちですよね。
でも実は、それぞれの歴史や作り方、そして楽しみ方には小さな違いがあるのです。

今日は私自身の体験を交えながら、「ジャム」と「コンフィチュール」の違いについてお話ししてみたいと思います。

ジャムとは?

日本で「ジャム」といえば、パンに塗るあの甘いスプレッドを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ジャムは果物に砂糖を加えて、しっかりと煮詰めて作ります。果物がとろとろに崩れるくらいまで火を入れるので、ペースト状になり口当たりがなめらか。甘さも比較的しっかりしているため保存性が高く、昔から家庭で愛されてきました。

スーパーで並んでいる瓶詰めジャムを見ると、どこか懐かしい気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
朝の食卓に並ぶジャムは、白い食パンやヨーグルトを一気に特別にしてくれる存在。シンプルな朝ごはんが、甘酸っぱい香りとともにちょっとしたごちそうに変わります。
私にとって「ジャム」という言葉は、そんな日常をやさしく彩る存在です。

コンフィチュールとは?

一方、「コンフィチュール」という言葉はフランスから来ています。直訳すると「果物の砂糖煮」ですが、日本で一般的に言うと「果物の形や香りを残すジャム」といったイメージ。

果実を大きめにカットして軽く煮るため、口に入れたときに果物本来の食感や香りを楽しむことができます。さらに赤ワインやスパイス、ハーブを加えることも多く、まるでデザートのように華やかな仕上がりになるのが特徴です。

たとえば「いちじくと赤ワインのコンフィチュール」。いちじくのぷちぷち感と赤ワインの芳醇な香りが重なり、まるで高級スイーツのような味わいに。チーズやヨーグルトに合わせると、ちょっとしたおもてなしの一品にもなります。

ジャムが“毎日の朝ごはんのお供”なら、コンフィチュールは“特別な日のお楽しみ”といえるかもしれません。

違いをまとめると…

発祥
 ジャム:イギリス、日本で普及
 コンフィチュール:フランス

作り方
 ジャム:果物をしっかり煮詰める
 コンフィチュール:果物の形や香りを残して軽く煮る

味わい
 ジャム:甘く濃厚、保存性が高い
 コンフィチュール:果実感や香りを楽しむ、華やか

食べ方
 ジャム:朝食のパンやヨーグルトに
 コンフィチュール:デザートやチーズ、お酒との相性も◎

私の思い 〜畑とジャムと。〜

私は「畑とジャムと。」という名前で、旬のフルーツをたっぷり使った添加物ゼロのジャムを作っています。

畑で育った果物や、地元の農家さんから分けていただいた果物を、できる限り無駄なく美味しく活かしたい。そう思いながら、日々鍋を火にかけています。

だから私にとって、ジャムもコンフィチュールもどちらも大切な存在です。

  • 畑でたくさん採れたブルーベリーは、しっかり煮詰めてジャムに。朝食にぴったりの優しい甘さになります。
  • 友人やお客様にちょっと特別なおもてなしをしたいときは、洋梨を白ワインと一緒に煮てコンフィチュールに。紅茶のお供にぴったりです。

どちらにも共通するのは「果物への愛情」。
畑で太陽を浴びて育った実りを、できる限り美味しい形で食べてあげたい。そんな思いが、私のジャム作りの原点です。

おわりに

もし「今日はどっちにしようかな?」と迷ったら、ぜひ気分やシーンで選んでみてください。

  • 元気な朝には、しっかり甘いジャム。
  • ゆったりした午後には、華やかなコンフィチュール。

そんなふうに果物の味わいを楽しんでいただけたら、作り手としてこれほど嬉しいことはありません。

あなたは今日は、ジャム派ですか?それともコンフィチュール派?
ぜひコメントで教えてくださいね。

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