保存食がくれる、食卓のやさしさと安心感

ラタトゥイユをたっぷり煮込んだ鍋。色とりどりの野菜とトマトの温かみが感じられる保存食の一皿。 暮らしと食

毎年、夏の訪れとともにトマトが赤く熟すころ、私は保存食作りに取りかかります。

なかでも欠かせないのが、自家製のトマトソース。
完熟のトマトを湯むきして、丁寧に皮をむき、刻んで、パートナーの育てたガーリックとともに煮込みます。味付けは塩だけ。ときどき気分でバジルを添えて。

シンプルなソースにするのは、あとでどんな料理にも合うようにするため。パスタにも、煮込み料理にも、ピザソースにも。

そして、夏の間に何度も作るのが、ラタトゥイユ。
冷凍庫にストックしておくと、疲れた日や急な来客の時にも助けてくれる心強い味方です。

野菜はその時々で変わるけれど、ナス・セロリ・玉ねぎ・トマト・ニンニクは必ず入れます。パートナーの大好物でもあるこの料理は、我が家の定番。

パートナーから教わったナスのレシピもお気に入りです。
ナスをグリルで丸焼きし、皮をむいてペーストにしたら、玉ねぎとガーリックを混ぜて、オリーブオイルと塩・こしょうで味を整えます。ピーマンやオリーブを足すとまた違った風味に。

保存食は、未来の自分や家族のために用意する、ささやかな贈りもの。
冷凍庫に並ぶラタトゥイユや、瓶詰めのトマトソースを見ると、少しだけ心が落ち着きます。

慌ただしい毎日のなかで、安心できる味がそこにある。
保存食は、そんな“やさしさ”をくれる存在なのです。

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