こんにちは、「畑とジャムと。」の内田朱美恵(うちだ すみえ)です。
連載エッセイ『ジャムとわたしの、ささやかな物語』。今回は「料理とわたし」についてお話しします。
🟠 “料理”は、いつもそばにあった
東京で働いていた頃の私は、毎日がめまぐるしくて、夜ごはんは軽く済ませることがほとんど。
食事は「効率」優先で、しっかり食べるときは同僚と飲みに行くことが楽しみでもありました。
でも、そんな中でも私は料理がずっと好きでした。
休みの日にはスーパーや八百屋さんをめぐり、食材を買いすぎてしまうことも。
余裕のある日は、じっくり時間をかけて“凝った料理”を作っていました。

🟢 料理が“誰か”のために変わった日
昔から、記念日などには料理を作るのが私の役目。
「作ること」は楽しかったし、何より“誰かが喜んでくれる顔”が、私の原動力だったのだと思います。
パートナーと出会ってからは、「作ってもらう」喜びも知りました。
その感動をくれたのは、彼が作ってくれたイチゴジャムや、素朴な料理たち。
お互いの味覚を信じて、お互いに料理を贈り合うことが、私たちの暮らしの一部になりました。
🟢 祖母の野菜が教えてくれた、“本当の味”
私が育った家庭では、祖母が畑で育てた野菜が当たり前にありました。
その味を舌が覚えているからこそ、スーパーで買った野菜の中に「懐かしさ」を見つけることもありました。
祖母が亡くなった後は、母がその味を引き継ぎ、今は私自身が畑で野菜を育てています。
育てたフルーツで作るジャムもそうですが、自分で育てた食材には、不思議と“愛情”が宿るように感じるのです。
🟢 料理は「手間」のなかにある愛情
私は素材の味を生かした、シンプルな料理が好きです。
塩だけで仕上げるような料理にこそ、その人のやさしさや丁寧さが出ると思うのです。
時間をかけることは、めんどくさい。
でも、その“手間”が、美味しさの理由になっている。
だから私は、時間をかけて料理をすることが好きなんだと思います。

🟣 「美味しいね」の笑顔が、私の元気
家族やパートナーが「美味しい!」と言ってくれる瞬間。
友人と一緒に笑いながらごはんを食べる時間。
そういうひとつひとつが、私にとっての“幸せの種”になっています。
料理は、たんに食べるものじゃない。
「幸せをつくるもの」だと、今は思えるようになりました。
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次回は、「ジャム作りに宿る“待つ時間”の魔法」について綴る予定です。
どうぞお楽しみに。
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